C翼二次創作/小次健love!  

56.『sex』(名刺SSテキスト版)

体を繋げるということを、そこにある悦びを彼から教わった。
キスも彼から教わった。
『欲しいものは欲しいと言った方がいい』そう言ったのも彼だった。
サッカーの楽しさを教えてくれたのも彼で……。

「俺はあんたに何かを教えた事がある?」

胸の鼓動を聞きながら尋ねた俺に、彼は「はあ?」ととぼけた声を出し、それからクククと声を殺して笑った。

「なんか、変な事を言ったかな?」
「キスもセックスもみんなお前が教えたんだろ?」
「…俺、が?」
「堪えるのが大変なんだ」
「何を?」

俺の体はぐるりと回転し、するすると背骨の上を指先が降りて行った。
彼を受け入れる場所に届くと同時に背中でくぐもった声がした。

「いちいち感動するなんて格好悪いだろ?」

彼より先に言って、彼に言われる前に腰を上げた。

「早く挿れてよ。あんたが入ってくる瞬間がたまんないの」

セックスって……泣けるよな。



(2019.5.10 twitter投稿)リメイク









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