C翼二次創作/小次健love!  

『若島津さんて』byタケシ

土下座ものばかりしかも拾ってきた落書き。
こんな若でごめんなさい。

『若島津さんて』byタケシ
『若島津さんて』

「あたたたた」
「大丈夫か?反町」
「痛いよ。日向さん」
「わりぃ」

練習中、日向さんと接触して反町さんが怪我をした。

「大会前じゃなくてよかったぜ。お前に怪我されたらいたいからな」
日向さんは反町さんに肩を貸して「ちょっと悪い、あとは頼む」と部室に行った。
怪我は大した事はなかったけれど、寮に戻ってからも気にしている。

日向さんは目つきは悪いし、口は悪いし、態度もでかい。
だけど、本当はすごく優しい人だ。

だけど、だけど・・・怪我したのは脚じゃないですかっ。
夕飯のトレーを運んでやるのは解るけど何だって箸まで持たせてやるんだろう。
そんな事を思いながら二人を代わる代わる眺めていた。

味噌汁の椀に口をつけた時、カターン!と隣で箸を置く音がした。
あちちちち。火傷するかと思った。

若島津さんは箸を置くと、乱暴に背もたれによりかかり、腕組みをしながらボソッと言った。

「反町、手は使えるだろ?」

反町さんの箸が止まる。

「え?まぁね」
「自分で持てよ」
「いいじゃん。日向さんに優しくしてもらえるなんて滅多にないんだから。ね、日向さん」
「別に優しくしてるわけじゃねーぞ」

反町さんは別段気にした風もなく再び箸を動かした。

ここだけやけに重苦しい雰囲気で、なんだか飯が入っていかない。
こういうのってよくある事なんだろうか?
俺は2つ下だし、とにかく部活で精一杯で、先輩達のやりとりを気をつけて見た事が殆どなかった。

「ごちそうさま」
反町さんが片足を引き摺りながら立ち上がった。

「反町、トレーは置いておけ。俺が持っていってやる」
そう言った日向さんを、やっぱり優しい人なんだなぁ~などと暢気に思って見ていると、またまた若島津さんの箸が音をたてた。

「反町、自分で持ってけよ」

え?若島津さんて結構イジワル?
反町さんは日向さんの肩に手を置いて、口元を嫌な感じに上げて言った。

「若島津、そういうこと言うわけ?お前、結構やな奴だね」
「だって、やな奴だもん。反町のトレーは俺が持っていく。反町を部屋に連れてくのも俺がやる。ついでに風呂も俺が入れる」
「え?マジ?」

あれ?反町さんの表情が変わったぞ。

「何だよ。俺じゃ不満なわけ?」
「不満なわけないじゃん。だって、若島津が身体を洗ってくれるんだろ?」

ガターン!

今度は日向さんの箸がテーブルの上で音をたてる。今日は何でこんなに箸が叩きつけられる日なんだろう。

「だーめだっ!反町は俺が風呂に入れる。隅々まで洗ってやる。若島津、お前は手、出すなよ。行くぞ、反町」

ずるずると反町さんは日向さんに引き摺られていった。

本当に日向さんは反町さんの体を洗ってやっていた。ゴシゴシゴシゴシ。
「痛い」とか「優しく洗え」とか文句をつけながら、反町さんも満更嫌そうでもなかった。

脱衣所で着替えていると、入れ違いに来た若島津さんが言った。

「日向さん、どうやって洗ったの?」
「はぁ?どうって・・・ゴシゴシ洗ってやったよ。・・・お前、変だぞ」
「何が?」
「俺が怪我させたんだから仕方ねーだろ?」
「仕方なくないよ。あんた、接触するたびに風呂入れてやんのかよ」
「いい加減にしろよ」

「いってー!怪我させたな」
「怪我なんかしてねーだろ。ちょっと手があたっただけじゃねーか」

「風呂入れてよ」
「今あがったばっか」
「怪我させたんだから俺も風呂に入れて」
「はぁ?お前、何言ってんの?さっさと風呂入って来いよ」

バシーン!

若島津さんが肩にタオルをひっかけた時、端の方が反町さんの顔にあたった。

「いてぇっ!」

これって偶然?もしかしてわざと?

「いたいよ、若島津!気をつけろよ」
「うるさいっ!お前が悪いんだからな。お前が怪我なんかするから」
「何だよ、それ」

険悪な雰囲気にまだ夏だというのに身体が冷えてくる。
・・・へくちっ!

「おい、タケシ、頭ちゃんと拭け」
そう言うと日向さんは俺のジョリジョリの頭をガシガシ拭いた。
あの~、拭いても拭かなくてもあんまり変わらないんですけど・・・と言いたかったが、嬉しかったのでやめておいた。

「タケシ!頭くらい自分で拭け!」

ええーっ!若島津さん、すごい嫌な人かも。
この人達に憧れて親元を離れた最初の年に幸運にも一緒にピッチに立って、優勝出来て、かなり舞い上がっていた俺だった。

「すごくショックです。よくわからないけど、どうしたらいいんでしょう」

ついつい口に出すと、反町さんが小さな声で言った。

「わかりやすいよな?」

え?
どういう事ですか?
何がわかりやすいんでしょう?
俺には全然わかりません。


……………

タケシが可愛い(たぶん)だけの落書きでした。

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