59.『夢で終わらせない』(名刺SSテキスト版)
夢は夢のままで終わらせないと。
疑いのないその寝顔に汚れた涙が落ちる前に。
「日向さん、ごめんね。こんな俺は見せられない」
吐き出した息をかき消すように風が窓を叩いた。
その音に彼の瞳が開いた。
「俺、寝言とか言ってたか?」
「言ってないよ」
「そっか……」
「おやすみ」と背を向けた俺に彼が言った。
「いくら夢の中で言っても変わらねぇよなぁ」
ただ、見つめ合ってキスをした。
確かめるように何度も見つめ合い唇を重ねた。
(2019.5.13twitter投稿)
あなたは小次健で、【夢にまで見た】をお題に140字SSを書いてください。小説等でもどうぞ。
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