C翼二次創作/小次健love!  

120. 『この恋を』(名刺SSテキスト版)

同じ夢を見たいと思った。
彼の背中を守りたいと思った。
たぶん、彼の為なら全てを捨てられる。
この恋心ですら。

触れたい気持ちに蓋をして、言いたい気持ちを押さえつけて。
なのに、彼はそれを許さなかった。

「あんたの負担になりたくないんだ」

彼は熱い唇で俺の言葉ごと飲み込んだ。
掠れた声で言った。

「ずっとそばにいたいんだ。わかるだろ? 俺の気持ちが」

怖くて怖くてたまらない。
だけど、この恋を俺は止められない────。



(2019/8/15 twitter投稿)
あなたは『この人の為なら多分何でも捨てれる。この恋心ですら。って思ってる』小次健のことを妄想してみてください。

https://shindanmaker.com/450823


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119.『ケーキ』 (名刺SSテキスト版)

朝刊を十軒くらい順調にポストに投げ入れて、十一軒目の工藤さんちでデカい犬に吠えられて、二十軒目の千葉さんちで爺さんに「暑いからこれ飲んでけ」と牛乳を渡され、断るのも悪いし牛乳を飲んだらいつもより遅くなった。
「キャプテン、遅かったね」
「色々あったんだよ」
「俺も一緒に走ろうかなぁ」
「好きにしろ」と言ったら、あいつは本当にくっついてきた。
「終了―っ」
「ご苦労さまでした」
学校は休みだし、暑かったから公園に行った。
水道の蛇口を捻って頭から水をかぶり、そのあとベンチに座ってあいつが持ってきたビスケットを食った。
「キャプテン、ビスケット、好き?」
「好き」
「ケーキは?」
「普通。でも、チーズケーキは好きだ」
「ふぅん」
それだけなんだけどさ、


あいつが広げている新聞の日付を見ながら、過ぎた夏を思い出した。
「ずっと忘れてたけど、あの時だったんだな」
「何が?」
誕生日のチーズケーキ率が高いのは。
「おまえが好きな洋梨のタルトでもいいんだぞ」
よしそうするか。
「決まりだな」
「あのさ」
「なんだよ」
あいつは「タルトは好きなんだけど、一人で会話しないでよ」と言って長い腕を巻き付けてきた。




(2019/8/13 twitter投稿)
小次健さんは、「早朝(または朝)のベンチ」で登場人物が「抱きしめる」、「ケーキ」という単語を使ったお話を考えて下さい。
#rendai https://shindanmaker.com/28927


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118. 『タイガーズアイ』(名刺SSテキスト版)

「若島津」

呼んでおきながら何も言わずに顔を近づける。
彼の瞳の色に光に、悔しいと思いながら俺は目を伏せる。

「狡いよ、あんた」
「狡くもなる。誰にも渡したくねぇんだよ」



(2019.8/12 twitter投稿)
あなたは『視線だけで相手を口説き落とせる』小次健のことを妄想してみてください。

https://shindanmaker.com/450823


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117. 『砂に書いたラブレター』(名刺SSテキスト版)

「日向小次郎」
「いい名前だろ?」
「若島津健」
「ちょっと名字がね。普通でいいのに」

「そうか?」と言って、彼は砂の上に書いた俺の名前を丸で囲んだ。

「こいつはさ、この若島津健てヤツはさ、」
「なに?」

次の言葉を聞くことはできなかった。
たずねることもできなかった。
代わりに波の音を聴いた。
彼の腕の中で────。




(2019/8/7 twitter投稿)
今日の小次健のお題は「砂浜に書いたラブレター」
#創作のお題を決めましょう https://shindanmaker.com/804823


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116. 『息子』(名刺SSテキスト版)

尊も直子も勝も声をあげて泣いたから、小次郎は泣けなかった。
だから、わたしも泣けなかった。
「かーちゃん、座布団はここに重ねておけばいいか?」
「そこでいいよ。手伝わなくていいから早く寝なさい」
「わかった」
立ち込める線香の匂いに「泣いてもいいんだよ」と言ってあげたかった。
「小次郎、ちょっと来て」
「なに?」
「かーちゃん、ちょっと泣いてもいい?」
抱きしめると、堰を切ったように小次郎は泣いた。
「一緒に泣こう。いっぱいいっぱい泣こう」


私の前で小次郎が声をあげて泣いたのは、あの時だけだけど、
「辛いことがあったら『辛い』って言わなきゃ」
「心配しなくても言わせてくれる人はいる」
「彼女?」
「いや、友達」
浮かんだその子の名前を口にはださなかったけれど、「寮で食べなさい」と言ってお菓子を持たせたら、
「あ、これ、あいつが好きなヤツだ」と小次郎はふうわりと笑ったから……、

私が息子を抱きしめることはなくなった。
だけど、息子を抱きしめてくれる腕はある。
きっと、不器用な息子を温かく包んでくれる。
「他には何が好きなの?」
「誰?」
「おともだち」




(2019/8/4 twitter投稿)
貴方はかーちゃんで『いっそ泣いてくれたほうがましだった』をお題にして140文字SSを書いてください。
https://shindanmaker.com/587150



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115. 『日向から翼へ』(名刺SSテキスト版)

何人もの選手とユニフォームを交換してきた。
どれもこれも思い出深いものであることに違いはないが、その中に一際小さなユニフォームがある。
南葛中の10番だ。

ボロボロのユニフォームに俺は今も語りかける。
「翼、おまえがいるから俺は強くなれる」




(2019/7/28 twitter投稿 大空翼BD)

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114. 『スタンドの灯り』(名刺SSテキスト版)

長い指が乱れた髪を梳く。青白い光の中、ゆっくりと。
シーツの上に身を投げ出す体をスタンドの灯りが照らしていた。
「沢山抱いたよな。お前のこと」
「ぜんぜん足りないよ」
欲張りだな、と言うと、あいつはフフと笑った。
「でも今日はおしまい」
「出し惜しみか?」
「そ」
「ケチ」
「先は長いだろ?」
言いながら笑う瞳が妖しく揺れた。
「綺麗だな」
「…………?」
「お前。……初めて抱いた時もそう思った」
「寮?」
「スタンドの灯りがさ、これとはちょっと違う色だったけど、お前を照らしてた。綺麗だなって思った」
「…………」
「痛かったろ? もっと優しくしてやればよかったなって思うよ」
「痛かったよ。すごく痛かった。……だけど、俺は日向さんがくれるものならなんでも欲しいから……」
ゆっくりと近づく唇が、スタンドに照らされた人いの色が、俺だけだと言ってくれす。
「あんまり折れを喜ばせるな。図に乗るから」
「それは困ったな」
少し笑いを含んだ息を吐いてからあいつは言った。
「そういうあんたも俺は欲しいんだ」と────。





(2019/7/27 twitter投稿)リメイク


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113. 『適わねぇな』(名刺SSテキスト版)

「大人になったってことかな。バランスの取り方がわかってきただけ」
あいつはサラッと言ったけど、サッカー選手と空手、どちらも手を抜かない。
更にそこにフィールドプレイヤーも加えるという。「そうかな?」二つなのは変わらない」
「おまえ、その数え方はおかしいだろう」
敵わねえなぁと思う。
しかも、俺をまるごと受け止めてくれるんだぜ。
「ったく、おまえには敵わねえよ」
「フォワードはサッカーに含まれるよ。
「日向さん、それ、俺に言ってんの?」
「だから……」
こういうところなんだよなぁ。



(2019/7/23 twitter投稿)

『I love you』を小次健風に訳すと「貴方には適わない」になりました。
#Iloveyouを訳してみた https://shindanmaker.com/730931




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112. 『再会』(名刺SSテキスト版)

「ユーべに戻った。やっとここまでこられた」
用意していた言葉は彼の唇に塞がれた。
何ヶ月ぶりだろう。
彼の鼓動を聞きながら、過ぎた時間を思う。
声が聞きたくて何度受話器に手をかけたろう。
触れたいと何度思ったろう。
「若島津」
何度その声で呼ばれたかったか。
「日向さん」
何度呼びたかったか。
だけど、次の言葉はなかった。
「…………」
「……日向さん?」
もう一度呼んでみたけれど、返事の代わりにズシリと肩が重くなる。
「そんな顔で寝るなって」
だけど、このまま夜を超えるのも悪くない。
それは自分だけに許された「彼」だから────。

 




(2019/7/22 twitter投稿)リメイク

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111.『パーティが始まる』(名刺SSテキスト版)

人混みを掻き分けカツカツと歩いてくる。
瞳は挑戦的。
肩にかかった黒髪が揺れる。
「日向さんっ」
叫ぶように言ったきり、電池が切れたおもちゃみたいにあいつは固ま
った。
腕を回すと、
「日向さん……」
さっきより静かな声で俺の名を呼んだ。
「待った?」
「いや。約束の時間には遅れてねぇよ。どこか行きたいところはある
か?」
「どこでも。会えただけで嬉しいから」
俺とあいつのパーティが始まる。





(2019.7.21twitter投稿)


小次健さんは【お待ちかね】をお題にして、140字以内でSSを書いてください。#140字でSShttps://shindanmaker.com/670615

オンリー当日に書いたものです



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