C翼二次創作/小次健love!  

文字数カウントアプリネタ(タケシ)

使っている「文字数カウントアプリ」の再生機能がおバカなので、おバカな人達を書いてみました。
くだらなさすぎるのでご注意下さい。とーほーmen's byタケシ です。



アナログ人間の日向さんがスマホに『読み上げアプリ』を入れた。というか、入れて差し上げました。この沢田タケシくんが。
島野さんに「小論文の誤字をチェックする時とか便利だよ」と言われたみたいだ。
因みにこの島野さんは、テスト勉強が不要な凄い人だ。
島野さんが言う「今回は調子が悪かった」は二桁順位になった時で、どの教科も十番以内には入るオールラウンドプレイヤーなのだ。
その島野さんの勧めもあって日向さんはアプリを入れたわけだけど……。

「おい、たんまち」
「は?」

本来の目的を忘れ、そこらへんにいる人や知っている人の名前を読み上げさせて、その通りに呼ぶのはどうかと思う。

「反町って入れると『たんまち』になるんだよ。ほら、わかしましん、も聴いてみな」
「『わかしましん』って……」
「因みに俺は『ひゅうが』と『ひなた』が混じっている。三杉は『さんすぎ』。さんすぎ、はねえよなぁ。わかしましん」

若島津さんは「はぁ」と呆れた溜息をついた。

「やめてって言いましたよね? その呼び方」

とかなんとか言いながら、若島津さんが「ひなたさんには困ったもんだ」と言ったのを俺は聞き逃さなかった。
「だよなー」と言いつつ、反町さんも若島津さんのことを『わかしましん』と言った。

「長ったらしいから『わかしん』とか『しん』とか『わかし』にしようよ」
「じゃあ、反町は『たん』ね」
「いや、それはちょっと……。牛タンみたいだし」
「じゃあ『たんたん』」

なんだかんだで盛り上がっている反町さんと若島津さんが可笑しくてたまらなかった。

「たんたん、今度の練習試合だけどさぁ」
「なに? わかしん」
「おまえら、やめろ」

そこに日向さんが割り込んだ。

「ええー、ひなたん、なんでー?」

ひ、ひなたん?

「『ひなたん』言うな」
「そう? 親しみやすくていいじゃん」と反町さん。
「ひなたん、可愛い」と若島津さん。
「たんたん、わかしん、やめてくれ」と日向さん。

くだらなさすぎて力が抜けそうだ。

「ところで、タケシは……『さわだたけし』かよ。つまんねー。捻りも何も無いじゃねぇか」

そんなことを言われても……。
だけど、こんなしょうもないことでゲラゲラ笑う先輩達を見るのも俺は好きだ。


結局、この呼び名は長くは続かなかった。先輩達は普段通りに苗字で呼びあっている。
だけど、たまに給湯室で『ひなたん』と『わかしん』と『たんたん』に会ったりする。

「誰だ? 俺のCCレモンを飲んだヤツは!」
日向さんが冷蔵庫に顔を突っ込んで騒いでいた。
「知りませんよ。名前を書いておいたんですか?」と若島津さん。

「書いたよ。『ひなたん』て」
「…………」
「なんだよ?」
「『ひなたん』は無いでしょう?」
「うっせーよ。おまえもヤクルトに『わかしん』て書いているじゃねーか」
「だって、楽だし」
「あ」
「なに?」
「『たんたん』スムージー発見。小洒落たもんを飲んでやがるぜ。『たんたん』のくせに」
「誰が『たんたん』のくせに、なのさ?」
「あ、たんたん」「あ、たんたん」

と、まぁ、こんな感じで、だからなんだ、というような会話もここにはあったりする。
日向さんも若島津さんも反町さんも、高校サッカー界のスターだけど、こんな一面もあるわけで……ちょっと可愛いな、なんて後輩のくせに思ったりする俺なのだ。

あ、たんたんプリン発見!

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