『揺れて、揺れて』
↓ 『揺れて、揺れて』 タイトルのまんま。いたしているだけです。
焦らしに焦らされ、その手を導きたくなる。
「どこを触って欲しいんだ?」
余裕の顔が憎らしく、彼を押し退け身体を入れ替える。
「おっ」
彼は目を見開き驚きの声を上げた。
「あんたより俺の方が力が強いんですよ」
見下ろすと、彼は「だよな」と言って喉の奥で笑った。
「それなのに……」
「不満か? だったら……」
言いかけた言葉を唇を塞ぎ、
「俺をこんな風にして……」
腰を沈め、体内に彼を埋め込み、前へ後ろへ回すように揺れた。
時々、彼はベッドで意地悪くなる。
けれども、そんな日の彼は少し苦しそうだ。
確かめるように時間をかけて、それを隠そうとする彼に泣きたくなる。
ただ、抱きしめたい、と思うのだ。
気持ちよくさせたい、と思うのだ。
「日向さん、……いい? 感じる?」
「ああ。すげぇイイ……」
「あ、ここ……ビリビリくる。おかしくなりそう。もっと、俺に……。日向さんをもっと……」
感じるまま声にして、
「愛している」と耳に吹き込んで、
俺は揺れる、揺れる、揺れる——。