C翼二次創作/小次健love!  

リハビリSS

リハビリ中

お題とは??

小次健さんは【可愛くってもう食べちゃいたい】をお題にして、140字以内でSSを書いてください。
#140字でSS #shindanmaker
https://shindanmaker.com/428246





「うわっ」

いきなり耳を噛まれた。
噛まれたというか、軽〜く「はむっ」って感じ。

「な、なにするんですか?」
「別に。うまそうだったから」
「うまそうってねぇ……」
「可愛かったから」
「可愛いって、なにが? 耳? てか、俺が可愛いわけ……」
「あるんだよなぁ。でけえくせに、俺より強いくせにさ。素直じゃねぇし、意地っ張りだし。喋り方も敬語使ったり、ガラ悪くなったり、変だよな」
「あんたねぇ、ケンカ売ってるんですか?」
「んなわけねぇだろ。最後まで言わせろよ。続きがあるんだよ」
「続き? ……ひゃっ」

また耳を噛まれた。
噛まれてそのあとふぅーと息を吹き込まれた。
もう、なんなの? この人。

「おまえ、思い出してただろ。飯食い終わってから五回くらい耳の裏を触ってたぞ」

えっ! マジ? ホントに? 
そんなこと……してた、かなぁ。
さ、していたかも。

「それは、日向さんが」
「俺、が?」

あー、やだやだ。なに? そのイケボ。

「お、思い出すわけないでしょ。夢見過ぎだよ」
「ったく、素直じゃねえよなぁ。けど……」

彼はクククと笑って、親指と中指で俺の耳たぶを摘んだ。
親指は離れ、中指は耳の裏に移動した。

「おまえ、ここを触られると黙るよな。ここにスイッチあるよな」
「…………」
「また、言いたくなった」
「……ゆ、昨夜聞いたから」
「いいだろ? 何回言ったって」

どうして、力が入らなくなるのかなぁ。
なんで、こんなに好きなんだろう。

「若島津、結婚しようぜ。二人で家を買って、ソファもベッドもカーテンも二人で一から選んでさ。……返事は?」
「……もうしてある」
「可愛くねぇなぁ。少しは喜ばせろよ」
「そんなこと言われても……」

続きを言うことはなかった。
言葉は彼が食べたから。








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