夜中テンション
三十分前に貰った熱がおさまらず自身を握る。
彼の動きをなぞり、息と混ぜて彼を呼んだ。
「…ひゅ…が、さ……ひゅうが……」
「足りなかったか?」
……え?
ごくんと唾を飲み込んだものの振り返ることは出来なかった。
呆れられるか茶化されると思っていたのに、
「俺がやる」
頸にかかる息も後ろから回された手も優しかった。
「い、いいから」
仕舞おうとした手を払い彼はゆるゆると俺を扱いた。
「これ、出したら顔を見せろよ」
飛行機に乗り遅れないだろうか。
変更したんだろうか。
訊きたいことはたくさんあったけれど、
波のように押し寄せる甘い痺れに抗うことが出来なかった。
「も……だめ。……日向さん、でる……」
「だせよ。あとで洗ってやる」
「でも……あ、……でも……あ、アッ……」
俺が放った白濁を手の開くに乗せたまま、彼は「俺が足りなかった」と言って強く俺を抱きしめた。
「ばかだよなぁ。いつもギリまでいるくせに。たまに余裕もったりするから」
耳の後ろから頬へ、頬から唇へ、
するする滑る唇はじわりと熱かった。