C翼二次創作/小次健love!  

書きかけ放置ネタをチラ見せ

Twitterに寮の部分だけスクショを撮って載せたのですが、こんな話なのでした。

↓ 昨年の夏に書きかけてほったらかし。
アオハルに憧れる日向さんwww なんじゃこりゃですよ。
※書きかけのネタメモなので展開予想と願望は私には見せないでほしいです。





「サボって彼女と海かよ。いいなぁ」

始業前のざわつきの中、隣の席で反町が言った。
鞄の中で数学の教科書を掴んでいた手が止まる。

「海?」
「だってさぁ。見てよ、あれ」

反町の人差し指が刺した方に顔を向けるとこんがり山田くんとこんがり櫻井さん。その周りの人だかりが発する言葉は揶揄いと羨望。

「自宅生はそういうことができるんだもんな」

確かに……。寮生には無理、だ。
嘘をついて休むことはできても部屋からは出られない。
寮監が持ってきた饂飩を一人寂しく啜るだけ。
まぁ、学校はサボりたくても部活は休みたくないしな。そんなことができる立場に俺はいないしな。

「山かもしれないぞ」
「はぁ?」
「なんだよ、反町。変な声をだすなよ。そんなに驚くことか?」

反町は「ハ」と羨まし成分100パーの息を吐き出した。

「背中ヒリヒリするってさ」
「ふーん」
「櫻井さん、ブラの紐が擦れて痛いんだって」

そこでブホッと吹き出してしまったのがよほどおかしかったのか、反町は目を擦りながら肩を揺らした。

キンコンカンコーン。

始業ベルがなる。
まだ蝉は鳴いていないが
横目でチラリと見た校庭は熱と光に晒され白かった。
空はくっきりと青い。
窓から差し込む光が黒板を刺す。
そこにはまだチョークの粉はのっていないが、見づらいんだろうなぁ……そんなことを思う。
天井に嵌め込まれたエアコンは冷気を吹き出していたが、強い日差しに追いついていない。

夏だなぁ。

バザバサと教科書を扇ぐ。
隣で反町もバザバサ。
黒板の向こうにいるヤツもそうしているんだろうか。
一限目は…なんだっけ。
英語? 国語? 忘れた。てか、知らねえ。

ガタガタと音をたてる机や椅子の音に紛れ、波の音が聞こえた気がした。

あー、海、行きてぇな。

海に憧れる元海無し県住民、もあるが、そこじゃねぇんだよな。

寮生活は思っていたほど窮屈でもないし、楽しいこともある。
何より楽だ。
飯はある。風呂も大風呂だけじゃない。
部屋にはユニットバスがあるし、冷暖房も完備されている。
自販機コーナーにはジュースやアイスの他に菓子やパンの自販機もある。
コンビニレジの近くにあるようなコーヒーサーバーまである。
談話室には75v有機EL4Kテレビ。
洗濯室には最新型ドラム洗濯機。
頼めば寮監が出入りのクリーニング屋に制服やシャツを出してくれる。
因みにシャツのクリーニング代は110円だ。
寝具はリース。
希望すれば10日に一度はシーツ交換。
Wi-Fi完備。レンタルPCやタブレットあり。
漫画本もある。
……て、ンなこたぁどーでもいいのだ。どーでもよくないが。

海に行きてぇんだよっ! 俺は。
は。イメージじゃねえって? 
俺のイメージってなんだ? サッカーのことだけ考えていればいいってか。
そうかもしれねえ。そのためにここにいる。
けどさぁ、たまにはいいだろ?
東京の学校だぞ。校舎だってドラマに出てくるようないかにもな感じだぞ。
カフェテリアとかあるんだぞ。
男子も女子の髪もそこらの散髪屋や1000円カットで切ったって感じじゃねえぞ。
奨励されているだけで指定はされていないのにスニーカーを履いて登校するヤツなんかいないんだ。
みんなローファーだ。俺も一応ローファーだが、慣れるのに三か月かかった。
たかだか寮から10分足らずの通学時間が、その10分に感じるストレスが……と、とにかく! 一回くらい普通の高校生らしいことをしてみたい。そう思ったってバチはあたらねぇだろ。
あー、海に行きたい。海に行きたい。
できれば学校サボってアオハルっぽいことをしてみたい。相手はいねぇけどな。
そこだよな。
一人黄昏れるのも悪くはないが、俺が一人で行ったら海が荒れるかもしれない。また荒波に揉まれことになったらアオハルでもなんでもねえ。だから相手は必要だ。
誰がいいかなぁ。
女子かぁ…。女の身体には興味はあるがこの子っつーのがいねえ。
あとあと面倒なことになるのも避けたい。
となると……あ、あいつでいいか。てか、あいつしかいねぇか。
あいつがいいな。
たぶん、それが一番楽しい。


(ここまででーす)

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