C翼二次創作/小次健love!  

キスがこんなに難しいなんて

画像一枚に収まらなかったのでテキストで。

↓  告白を済ませキスに漕ぎつけた小次健
 ※ドタバタしています。




『キスがこんなに難しいなんて』

肩を組んだり、ハグをしたり、手を握って腕を引いたり、触れ合いは日常的にあったというのに……なんだこれは!
指先が触れただけで緊張が伝わってくる。
許可はとった。
わざわざ口にする必要はなかったかもしれないが、ガキの頃から積み上げてきた時間も長いし、掠め取るような真似はをしたくはなかったからだ。

「いいんだよな? 俺が『キスしたい』って言ったら、おまえ、頷いたよな? 同じだよな?」
「はい」

それしか言えないどころか、ちょこーっと指が頬に当たっただけでビクゥと肩が上がった。

「するぞ」
「はい」

再度許しを得て恐る恐る顔を近づけると、今度は逃げやがった。

「待って」

んだよ! ここまできてそれはねぇだろうが。俺だって緊張してるんだ。おめえほどじゃねぇけどな。

「待たない」
「待って。日向さん、待って下さい。一つだけ聞きたいことがあるんです」
「あとで聞く」
「今じゃなきゃダメなんです」
「だったらさっさと言え」
「怒らないでよ」
「怒ってねえ!」
「怒っているじゃないですか」
「怒ってねぇよ。怒ってねぇから早く言え。告ってそのあと恋人っぽく手は繋いだか忘れたが、次はキスだろうが」

無理なら無理で待つしかねぇと思っていた。
俺は気が短ぇが、コイツのことは本気で好きだし、すげぇ大事だし、待てと言われれば待てると思っていた。
けど、引くに引けなくなっちまったじゃねぇか。
「わかってます。キス、ですよね?」
なんだよ、これ。ムードも何もないじゃないか。
こんなのあるか? ファーストキスなんだぞ。
血反吐吐くほど我慢して、限界感じて想いをぶちまけたんだぞ。
もう何度目かわからないが、頬に指をあてるとあいつの肩がまた硬くなった。
誰か教えてくれ。俺はどうすればいいんだ?

「イヤなのか? もしかして、俺に合わせただけなのか?」
「違います。そうじゃないんです。ただ……」

……え? こいつ、やばくないか?
ガチガチになりながら俺を見る目が涙目になっていた。

「ただ?」

訊き返すと、「はい」と頷いた。
コクンと首を前に倒したことで目の縁に溜まっていた水が堪えきれなくなったのだろう。
スンと鼻を啜る音がして、俺は足を引いた。

「日向さん、違うんです。俺、わからなくて。その、……は、初めてだから」
「なにがわからないんだ?」


◆◇◆


ゴタゴタしたが、結論から言えばやばいくらい感動した。
元からあった「若島津は可愛い」が限界突破したって感じだった。

「め、目を瞑った方がいいですか?」
「お、おお」
「俺は待っていてもいいんですか?」
「い、いい」
「わかりました。お願いします」

伏せた睫毛の先を震わせて、あいつは俺に言ったんだ。
はっきりと、この先の未来を示すように「日向さんが好き。キスして」と。





あーん。若がアホの子みたくなってしまった。
これを言わせたい。こうさせたい、はあったはずなんですけども、、、
リハビリのさらにリハビリ、ということで。

☆拍手ありがとうございました!

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