深爪
あいつの前で爪を切るのが恥ずかしいと思うようになった。
足は恥ずかしくない。
恥ずかしいのは手だ。
右手の親指と小指以外の爪を整えているのを見られたくない。
優しく抱きたいのに唇に触れただけで制御できなくなる。
つい、腰や太腿に指を食いこませてしまう。
時間をかけて解してやりたいのに一本目と二本目の間隔が短い。
どうかすると、いきなり二本突っ込んじまう。
だからせめて、熱くならないうちに。
そんなことを考えながらバカ丁寧に爪の角を落としている自分が恥ずかしい。
こいつは気づいてんのかなぁ。
聞いたこと、ねぇけど。
ただ、時々「深爪はよくないよ」と言われるし、そういう時の声は薄い布で息を包んだみたいに掠れていたりするし、やっぱ気づいてんだろうな。
「日向さん、また」
「なんだ?」
「深爪はよくないって言ってるでしょう?」
「でもよ」
「大丈夫ですよ。俺、やわじゃないから」
「……あ。やっぱ気づいてたか?」
「気づくに決まってるじゃない。だってさ、」
「なんだ?」
「なんでもない」
「言えよ。……あ。準備万端で引くとか?」
「日向さん、…………しいね。俺のことあま……すぎ」
「ん? いま、なんつった?」
「なんでもないですよ」
なんじゃこりゃ?
えと……リハビリなので…
もうすこしマシなの書けたら画像にします(汗汗)