妹が母親になった。
「健もそろそろ……」
聞き慣れた言葉なのに、赤ん坊の泣き声や家族の笑い声、柔らかな日の光にさえ胸が痛んだ。
「また、言われてしまったよ」
零れた声は彼の笑い声に乗って春の風に変わった。
「これ以上確かなものがあるか?」
「愛されているね、俺」
「愛しているからな」
お題:こんなにも
(2019.4.7 Twitter投稿)
[3回]
七夕は八月なんだぜ!
去年の七夕に何かを書いた気がして掘ってみたらありました。7/7に書いたみたい。
引用リツイートして、その後57577を書きました。
よろしければTwitterを見てみてくださいね。
名刺SSテキスト版は3つ追加しました。
もう少しおまとめアップも可能なのですが、ふらりと立ち寄った時にサササッと読めるものがあったらいいかなぁ~なんて思ったり。
とりあえず、繋ぎ的にお読み頂けましたら嬉しいです。
☆拍手ありがとうございました。
↓ メッセージのお返事です。
[2回]
快楽に溺れてしまう自分をみとめたくないのか、あいつは必死に声を押し殺す。
我慢した分だけ息が甘くなることに気づいていない。
「たまんねぇな。そういうおまえ」
顎に近づけた顔を後ろに引いて、ガッと突き上げると耐えきれずに「ああっ」と鳴いた。
鳴いたところで動きを止めたら振り返って俺を見た。
縋るような瞳を直ぐに隠したあいつの耳の後ろを舐め上げた。
軽ぅく腰を使う。
「どうしてほしいんだ?」
「…………」
「ねだれよ。俺がその気になるように」
漸く、そんな感じだった。
震える声であいつは言った。
「もっと、……深く……もっと、俺に……」
もっと言えよ。
もっと俺を欲しがれよ。
もっと、もっと、もっと……。
(2019.4.6 Twitter投稿)再録
[1回]
試合の前日はセックスはしない事。
最低限プライバシーは守る事。
家事の分担。
風呂の使い方。
同居を始めるにあたり、あれこれルールを決めた。
「シェアするんだからな。扶養家族じゃないんだから」
「家賃はいいけど、生活費の口座まではいいだろ?」
「駄目」
日向さん、こういう事は最初が肝心なんだよ。
放っておくと、俺に財布を出させなくなる。
どちらの名義で口座を開設するかで揉めて、結局、各々作って同じ額を預け入れした。
財布にカードが一枚増えただけだけで何となく嬉しかった。
生活するって感じがした。
「他にはないのか? 後から追加されるのは嫌だ」
「ないかな?日向さんは何か希望ないの?」
「うーん、そうだなぁ……。ゴミ、かな?」
「ゴミ?」
「ゴミと一緒に送り出すのはやめてくれ」
「そんな事しないって」
「いってらっしゃ~い。撮影頑張ってー」
「かったりぃなぁ~」
「文句言わない」
「へーい。じゃ、行って来るな。マイハニー♪」
何がハニーだよ。
だけど、出掛けのキスは蜂蜜に似ているかもしれないな。
あ、そうだ。蜂蜜切れてたんだ。
「帰りに蜂蜜買ってきてくれない?」
「了解」
「それと、ゴミよろしく」
「…………」
「何?」
「何でもねえ……。じゃな」
いいなぁ。
生活感ありありの後ろ姿。
あの背中を俺は守っているんだな。
(2019.4.5 Twitter投稿)リメイク
[2回]
「抱かせろ」
あまりにストレート過ぎて言葉がみつからなかった。
頭の上から降りてくる声に閉じたばかりの雑誌を開いた。
「嫌だったら殴ってくれ。殴ってトドメを刺してくれ」
絞り出すような声で彼が言った。
その後の言葉に俺は白旗を上げた。
「こうでもしなけりゃ諦めきれねぇ」
お題:無条件降伏
(2019.4.4 twitter投稿)
[1回]
こんばんは!
しばらく本宅入り浸り生活です。
ツイッターにもちょこちょこ顔を出そうと思ってはいるのですが、あ!お題SSを置いておきました。ちょっとしんみりしちゃいましたがそれくらい想っているということで。
名刺SSテキスト版のご案内記事にも書き足しましたが、ツイッター投稿日を記載してほしい、とお声がありましたので、小さく書いておきました。
古いお話は2007年から2012年にかけて書いたものです。
旧サイトにアップした日にちが不明のものもあるので、わかっているものも書きませんでした。
そのまま手を加えずに画像にしたものは「再録」、手を加えたものは「リメイク」と書いてあります。
最初の方に投稿したものは再録とリメイクだらけです。
SS部屋にあったものをブログに格納する作業と並行していたので新しく書けなかったんですよねー。
復活直後の日記も遡ってみたんですけど、ツイッターをやっていなかったら拍手でやりとりしていたんですよね。
今より多い?……と言うか、それしか手段がなかったので。まぁ、今も昔も変わらず、サイトはまったりゆるゆる~っとやっていきますので。
ツイッターを見ると何もやっていないような気分になるのですが、そんなことはないですよねー♪
と自分で言ってみたり。
☆拍手ありがとうございました。
↓ メッセージのお返事です。
[4回]
選手寮の近くに錆びたブランコと滑り台しかない小さな公園がある。
彼は硬い蕾を見つめていた。
空はどんより灰色で、風も冷たい。
祈るような横顔に何か理由があるのだろうと思った。
明くる日も彼はそこにいた。
蕾はまだ硬い。
焦らすようにここ数日気温が低い。
雨、が降りそうだ。
ぽつり、と地面に染みができた。
気づいていてそうしているのか、彼の視線は蕾から離れなかった。
「濡れるぞ」
「え」と振り向いた頬に雨粒が一つ落ちる。
「泣いているみたいだ」
「俺が、ですか?」
クスリ、と彼が笑った。
「桜、なかなか咲かないな」
願い事でもしているんだろうか。
「必ず咲きますよ」と彼は言った。
それから五日後に桜は咲いた。
彼は携帯をかざし、満開の桜を写し取っていた。
「桜、咲いたな」
「届けようと思って……」
「誰に?」
「幼馴染に」
サーと風が吹く。
同時に彼の手の中で携帯が鳴った。
若島津が誰に届けたのかはわからないが、確かに桜は届いたみたいだ。
携帯を耳に当てる頬を花びらが撫でていく。
若島津所属クラブの先輩視点です。
(2019.4.3 Twitter投稿)リメイク
[3回]
冷蔵庫から食材を出して無造作に肘でドアを閉じる彼がいいと思う。
目が合うと「チャーハン」とか「パスタ」とか短く言う彼はいい。
「なーに、殿様みてぇにどん座ってんだよ」
そう言いながらクイと袖を捲る。
俺は蛇口から流れる水の音だとか、フライパンの上で油が跳ねる音を聞きながら部屋に漂う匂いを吸い込んでは味を想像する。
「サラダも食うか?」
「あると嬉しいな」
「なら、手伝え」
今日は「いやだ」と言ってみようか。
「コラ」と口には出さずにおたまを小さく振り上げる彼が好きだから。
小さければ小さいほどみつけた喜びは大きくて、「チャーハンの歌を歌ってよ」と俺は言った。
「ねぇよ。そんなもん」
彼の腰骨がゴンとぶつかってよろけるのが俺は好きだ。
(2019.4.3 Twitter投稿)リメイク
[2回]
まったりテレビをみていたら、空手家がバットを十二本蹴りで折った。
隣でむぐむぐ蜜柑を食うあいつに聞いてみた。
「なあ」
「なに?」
「おまえもできる?」
「俺はこんなバカな事はしませんよ。だけど……」
「だけど?」
「あんたのバットならいつでも折れますよ……」
「因みにあんたのボールも……」
ぐしゃあああああっ!
「あ、蜜柑、潰れちゃったぁ」
(2019.4.3 Twitter投稿)再録
[0回]
なきゃなくてもいいんですけど、サイトマップを作りました。
今、長編(当社比)気分なので、ツイに上げられるものが全然書けていません。
もう、ツイいらないんじゃ???
サイト弄りは楽しいです(笑)
名刺SSテキスト版のリストも作りました。「ご案内」ページにも記事リンクありますけど、
こんな感じ
[0回]