C翼二次創作/小次健love!  

いろいろお知らせ

・名刺SSテキスト版を№106までUPしました。
画像にした後で誤字を発見することも多いので、一応確認しながらテキストを貼っています。
スマホで書いたりPCで書いたりごちゃごちゃなので一気に沢山UPするのは無理ですけど、少しずつUPの方が良い方もいらっしゃるかもしれませんし……。んー、どうなんでしょうね。
とにかく、多くても一日に10本くらい。だいたい5本くらいを目処に、と思っています。
私事で恐縮ですが社会復帰したことと、息子が春から家を出ることになるので(不測の事態が起きなければ)その準備などもあり今までのように更新は出来ないと思います。去年がグータラ過ぎたんですけどね(汗)更新出来ない日もありますがご理解のほどお願いいたします。

・twitterに結婚小次健を置いておきました。
画像にしようと思ったんですけど一つのツイに収まらない枚数になったのでふせったーを使いました。
心の日向母&若母の声に逆らわず(笑)願望だけで書きました。
落書きですが、思っていたより反応がありまして、「なぁんだ。みんな結婚小次健好きなんじゃない~♡」と嬉しくなりました。

「ひとり 結婚小次健アンソロ本」を作りたいくらい結婚小次健を書くのが好きなので、「またこの人結婚させてるぅー」と呆れてやってくださいね。

・サイトの日記について
過去記事を減らして幾分スッキリさせましたし、名刺SSテキスト版のUPも再開したのでTwitterに投稿したもののお知らせは毎日はしません。ツイートは埋め込んでありますので、ここに来たらツイもチラリと見て頂けると嬉しいです。
お知らせだけなのもつまらないし(私が)、週に一回は日記も書こうと思っています。

・レスについて
サイトのレスはtwitterのリプよりのーんびり時間をかけて書いていますのでお待たせすることがあります。
昔からの方には「そういうもんよねー」と思って頂けると思うのですが、snsの流れの早さに慣れている方は「遅い」と感じるかもしれません。でも、そういうもんだと思って頂けると助かります。

・通販について
イベント合わせではないので随時ご注文をお受けしています。ご注文日の翌日発送を心がけていますが、週に何度かヤマトに行けない日があります。遅くなる時はご連絡いたしますので!
梱包には注意を払っておりますが、傷や汚れなどございましたらお知らせくださいませ♪
気が向いたら一言ご感想なども頂けると萌えもぶわっと膨らみます。


☆拍手&いいね♡ありがとうございました。

これも何度も言っているのですが、昔と違って私から読み手さんの「好き」が見えることが多いからでしょうか。昔よりサイトにコメントこないんですよね。
若誕とか反応少なくてやらかしたかと思いました。……というくらい少ないです。
サイトはどこもかしこも無記名OKですので、気軽に使って頂けると嬉しいです。
twitterにあげたSSや絵についてもここに書いて下さってかまいませんので♡

あちこち書き散らかしているので、犬山吾郎はサッパリ進んでいません。
そうこうしているうちにバレンタインネタとか妄想し始めるんだわ……。






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106.『ダイニングルーム』(名刺SSテキスト版)

「腹減ったな」
「腹減ったね」
「飯にするか」
「そうだね。たまには俺が作るよ」
「いいって。おまえ座ってろ」
「今日は俺が作る」
「そうか? 怪我すんなよ。玉子かけご飯でもいいぞ」
「いいから黙っててよ」
「わかったよ」
「火傷すんなよ。包丁気をつけろよ。冷蔵庫に指挟むなよ~」
ったく。心配症もいい加減にしろって
「日向さーん、醤油どこぉ?」
「日向さーん、砂糖がなくなりそうだよ」
「日向さーん、もっと小さい鍋ないの?」
「日向さーん……」
「あーっ! 面倒くせえ。やつば、おまえ座ってろ」
「美味いか?」
「美味いよ、すごく」
「俺の作る飯、毎日食いたいだろ?」
「日向さんが毎日食わせたいんだろ?」

(2011.7.11 twitter投稿)再録









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105.『トリノ・appartamento』(名刺SSテキスト版)

湿布の匂いを嗅ぐと泣きたくなる。
ばりっと封を切った瞬間にスースーした匂いがいきなり鼻の中に入ってきて、
まるで気持ちが剥き出しになるみたいだ。
あいつの肩には古い傷がある。
中学の時に無理をしたせいか、高校に入ってからも時々病院通いをしていた。
病院から帰って来たあいっからは湿布の匂いがした。
風呂上がりには俺が貼ってやったし、俺の脚もあいつが貼ってくれた。
「あーあー、結構腫れてんな」
試合中に脚を少し捻ってしまった。
人に手当してもらってる時は感じないのに、風呂上がりに一人で貼るのは何となく悲しかったりする。追い撃ちをかける
ように皺がよったりするとかなり凹む。
「お前に貼ってもらいてぇよ」
「下手くそ」
「え?」
「皺になってるじゃないか」
「おまえ……なんで?」
「貸して」
若島津は東の果てからいきなりやって来て、いきなり皺くちゃの湿布を貼り直した。
「何やってんだよ」
「ちょっと捻った」
「腫れてるね。痛いだろ?」
全然大したことなかった。
「痛い。すっげー痛くて堪んなかった。痛くて痛くて死にそうで、この匂いを嗅いだら泣きたくなった」
頬に触れられた掌から湿布の匂いがした。
剥き出しになった心は隠す必要が無くなった。
「泣きたくなる?」
「ああ。さっきまでと全然違うけど、やっばり泣きたくなる」
「俺も」





(2019.7.10 twitter投稿)再録


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104.『東邦学園高等部・寮』(名刺SSテキスト版)

「肩、痛いのか?」
「そういうワケじゃないけど、何となく気になる」
「どれ、俺が貼ってやるから来いよ」
「いいって。湿布くらい自分で貼れる
「後ろに目ついてんのかよ」
「なんだよ、それ」
「いいから貸してみな」
「ありがと」
「どういたしまして。……いつ見ても痛そうだな」
「痛くないよ」
「おまえ、左に鞄かけるのやめろよな」
「大丈夫だってば」
「俺がヤなの。痛そうで」
「…………」
「なんだ?」
「湿布より効きそう」
「何がだよ」
「これ、剥がしてくんない?」
「剥がすのか?」
「ここんとこさ、手を……や、やつばりいいや」
「こうか?」
「そう」
「スースーする。おまえの肩、メンタムみたい」




(2019.7.9 twitter投稿)再録




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103.『東邦学園中等部・保健室』(名刺SSテキスト版)

「若島津、日向さんが指切った」
「ええっ! なんで?」
「調理実習で調子こいてたらしくて包丁でザックリ」
もうっ。なにやってんだよ。
バカハカバカバカ……あっ! いてててて……。
痛い、痛い。
でも、保健室に行かなくちゃ。
俺が行ってどうなるもんでもないけど行かなくちゃ。
「日向さんっ、だ、大丈夫なの?」
「ちびっと切っただけ。……おい、おまえ、肘」
「肘?」
「肘、血がでてるぞ」
「え? ああ、階段で転んだ」
「なにやってんだよ。先に手当してもらえ。先生。すみません、こいつが先」
「いいです。日向さんの指が先」
「いいから。お前が先」
「いいって。これくらい」
「うるさい早く手当してもらえ」
「大丈夫だってば」
『もう、どっちでもいいから二人で適当にやっといて~』
「先生いなくなっちゃったよ」
「おまえのせいだからな。おとなしく腕を出せ」
「ごめん」
「なんですっ転ぶんだよ」
「なんでだろ」
「かっこわりぃ」
「だよね」
「マヌケ」
「ほんと、ほんと」
「気をつけろよ」
「わかったからそんな大袈裟に包帯巻かなくても……」
「そうか?おまえが指切ったら俺は骨折してたかもしれないぞ」
「なにそれ?」
「別に。なんとなく、さ」




(2019.7.8twitter投稿)リメイク


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102.『海の歌』(名刺SSテキスト版)

ところどころ歌詞を誤魔化しながら歌うのは、先月結婚した友人が花嫁に向けて自ら歌ったにも使われていた曲で、途中「おとちゃー
ん」と浦島太郎が……
「わかしまづーっ」
「は、はいつ」
イケネ。返事しちゃった。
「ンなとこいねぇでおまえも入れ」
やば。ばれてた。
「いや、俺は後で……」
「続き聞かせてやるから来いよ」と腕を引かれ、おろしたてのスーツが濡れた。
「アンタねえ」
「悪いな」
彼は少しも悪くなさそうに言って、さっきの続きを歌った。
いい声だよなあ。
深く張りがある。
ところどころ柔らかい。
甘さと苦味もある。
「声、やばいね」
「腰にくるか?」
自覚しているところがホント憎らしいけど……
たまんないね。





(2019.7.8 twitter投稿)
【小次健】
「もっと聴きたいな。君の歌」#
この台詞から妄想するなら2





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101.『七夕』(名刺SSテキスト版)

寮の玄関脇に笹竹が置かれた。
小さなテ1プルの上に短冊とペン。
書いたり書かなかったりその年によってマチマチだったが、たまたま若島津が忘れ物に気づいて部屋に戻り、ぼこっと空いた
時間に短冊に手を伸ばした。
「ごめん、ごめん」
言いながら靴を履くあいつに見つからないように短冊をポケットに入れた。
「日向さんは願い事書いた?」
「書かねーよ。お前は?」
「同じ。俺も書いてない。だって、見られたらイヤだし」
「だよな」
でもさ、とあいつが言った。
でもよ、と俺も言った。
交換した短冊には互いの名前しかなかった。
何をどうしたいかも書いていなかった。
「思いっかなくっさ。いるだけでいいって言うか……」
だよな。俺もそう思う。




(2019.7.7 twitter投稿)





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100.『aroma』(名刺SSテキスト版)

久しぶりに会った彼から甘い香りがした。
スンと鼻を啜ると照れくさそうに笑った。
「イヤか?」
「そんなことはないよ。ただ……「香りを着るようになったんだなあって思って」
家族と過ごした時間はとうに追い越した。
「いろんな香りがあったよね
「汗と埃しかねえだろ?」
彼は言ったけれど、
部室の匂い、寮の食堂の匂い、湿布の匂い、二人でロにしたもの、目にしたもの:
「洒落てみるのも悪くないね」
「そうか?」
そうだよ。
キザなアンタも、照れているアンタも、
……どんなアンタも全部好きだよ。



(2019.7.4twitter投稿)

小次健さんは【香水】をお題にして、140字以内でSSを書いてください。#140字でSShttps://shindanmaker.com/670615






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99.『虫の声』(名刺SSテキスト版)

「蝉はどこにいっちゃったんだろうね」
読みかけの文庫をパタンと閉じてあいつが言った。
死んじまったんだろ、と言おうと思ったが、「どこに」という言葉がやけに耳に残って、何も言わずに次の言葉を待った。
「秋の虫に変わったね」「…そうだな」
他に言葉が見つからなかった。
ここで過ごす最後の夏が終わり、ここで過ごす最後の秋になる。
次にくるのはここで過ごす最後の冬で……
そしたら俺達はどこに行くんだろう。
あと少し我慢してればいい、そう思っていたけれど、我慢した先にはなにがあるのか…。
「日向さん」
「…………」
あいつは「ごめん」と言って、そのあと「俺、あんたの事が好き、みたいだ」と肩をすくめた。
先に言われると言えなくなるもんなんだな。
バカみたいに突っ立つ俺の唇をあいつの唇がフワリと掠めた。
それは夜風のように静かで、しっとりと濡れていた。
秋の虫の声をききながら、俺は次の夏を思い描いた。
やけに今夜は静かだ。
「夏が終わるね。……ほら、スズムシが鳴いている」
「違うだろ」
「……?」
「終わるのは『今年の夏』だ」



2019.7.2 twitter投稿)再録(初出 2009.8.25)






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