C翼二次創作/小次健love!  

86.『おやつタイム』(名刺SSテキスト版)

「島野ぉ、なんか甘いお菓子ない?」
「ポテチしかないな。小池は?」
「明太子味のうまい棒なら……」
「明太子味かよ。甘いのがいいの」
「反町はわがままだな。若島津に訊いてみるか。スィーツ男子だし」
「そだねー」「そだねー」

「悪いな。酢昆布しかな」
「どこがスィーツ男子だよっ」「どこがスィーツ男子だよっ」「どこがだよっ」

「日向さんに訊いてみようか?」
「そだねー」「そだねー」「そだねー」

「甘いもんか? 北詰監督の引き出しにいつも饅頭が入ってるぞ」
「なんでそんなこと知ってるんだよ」
「そこだよな」
「そうそう」
「あんた、まさかいつも……」

「ちっげーよ。まぁいい。俺にまかせろ!」


「日向、なんか用か?」
「饅頭を分けて下さいっ。弟達に食わせてやりたいんです……くっ」

「に、にいちゃん」「にいちゃん」「にーちゃ……」「にぃ……」 ←嗚咽



とーほーmen'sフェス参加
(2019.6.9 twitter投稿)



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拍手ありがとうございました

こんばんは。今日は更新できなくてすみません。明日もどうなるか……。
夜に更新出来たら。……て、画像はアルバムにあるんですけどね(汗)
あ、twitterにハネムーン小次健あります。よろしかったらチラリと覗いてみてくださいね。

あ、そうそう。明日、サトタクさんの舞台を観に行きまーす。

☆拍手ありがとうございました。
↓ メッセージのお返事です。


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85.『食堂で』(名刺SSテキスト版)

「タケシ、ゆっくり食え」
「はい」

「なんだ。反町は目玉焼きに塩か? ほらよ」
「ありがと」

「若島津、手が痛いならフォーク使え」
「わかった。そうする」

「あーいい。俺が持って来てやる。……あ、小池、米粒ついてるぞ」
「え? どこ?」
「ほっぺ。……あ、島野、パセリも食えよ」
「パセリ苦手」
「好き嫌いすんな。……あー、小池、米粒はそこじゃねぇ……若島津のフォークが先だ。ちょっと待ってろ」

「にーちゃん」「にーちゃん」「にーちゃん」「にーちゃん」「にーちゃん」 ←大合唱





とーほーmen'sフェス 参加作品
(2019.6.9 twitter投稿)



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83.『雨上がりの朝に』(名刺SSテキスト版)

昨夜の残りの雨の匂いを嗅ぎながら、校舎裏でキスをした。

朝っぱらから何やってんだろ……。
そう思いながら、彼の唇を離せなかった。
ふいに入り込んだ足音に彼が動きを止めるまで。

「続きは後で」

彼が駆けて行く。
小さくなる背中に俺は言う。

「バカ。後っていつだよ」

昼休み、またここに来てみようか。





(2019.6.7 twitter投稿)リメイク

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82.『ゴミの日』(名刺SSテキスト版)

「日向さん、今日は燃えるゴミの日~」

だるだるな声に起こされた。

「また俺かよ」
「俺だっけ~?」

ったく、しゃあねえなぁ。
ゴミ袋をズリズリ引きずって家中のゴミ集め。
キッチン、リビング、洗面所……。
で、ぐるりと一周して最後に寝室。

どんだけやったんだか……。

「サヨーナラ~」
「何が?」
「いや、別に……」

何にもしようとしないくせに文句だけはいっちょ前。

「プラゴミ混ぜないでよ~」

ったく。寝汚ねえヤツだな。

「おめえもゴミに出しちまうぞ」
「袋に入りませーん」

確かに入らん。
俺も入らんが。

でけえヤツだよなぁ。
でけえけど、俺の腕にすっぽり収まるんだよな。



(2019.6.5 twitter投稿)リメイク

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81.『キスマ』(名刺SSテキスト版)

あいつの手首から肘の裏に向かうライン、三分の二あたり。
薄っすらついたキスマーク。

捲った長袖のシャツ、
一応隠れてはいるが、机に肘をつくとチラッと顔を出すくらいの位置にそれはある。

誰にも見せたくないが、誰かに言いたくなる。
ぜってぇ言わねぇけどな。

―――見ろよ。あれ、俺がつけたんだぜ。





(2019.6.4twitter投稿)リメイク

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80.『月の光』(名刺SSテキスト版)

彼がテラスで缶ビールを片手に満月を見上げていた。
横顔がぞっとするほど綺麗だった。
それと、ほんの少し寂しそうだった。

「あんた、狼みたい」
「なんだよ?それ」
「なんで虎なの?」
「知るかよ。いつの間にかそうなってたんだよ」

「寂しそう。絶滅したニホンオオカミの最後の一匹って感じ」
「お前なぁ、それじゃ可哀相すぎるだろう。俺にだって仲間はいるんだぜ」
「だよね」

言いながら、彼は俺の肩を抱いた。

「ずっと見てるね、月」
「ウサギが見えるかなぁと思ってさ」
「餅搗きしてた?」
「いや。俺を誘ってた。『狼さん、私を食べていいですよ』って」
「そんなわけないじゃん。食べられるのは嫌だろ?」

きらり、と青白い月を映した瞳が光る。

「やっぱり狼みたい」
「お前は言ってくれないのか?」
「何を?」
「『俺を食べてもいいですよ』って」
「どうしようかな。狼に食べられるのは嫌だけど……」

……また、キラリ。

「じゃあ、変身しないうちに部屋に入ろうぜ」




(2019.6.2twitter投稿)リメイク









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79.『ドライブ』(名刺SSテキスト版)

ステアリングを握る手だとか、サイドミラーに視線を泳がせた時の耳から顎にかけてのラインとか、
緩みそうになる口元を水の入ったボトルで隠しながら見ていた。

不意に目が合うと口角が上がる。
直ぐにそれを隠すように前を向く。
信号が赤になり、緩く握ったステアリングの上、親指でリズムと取りながら「結構混んでるな」と彼が言った。

「運転、代わろうか?」

少し笑いを含んだ声で「いや」と短く返し、

「帰り、代わってもらう。寝てていいぞ」

リアシートに置かれたシャツに腕を伸ばし、「使えよ」と俺に寄越す。

「じゃあ、お言葉に甘えて」

澄ました口調で言って、彼のシャツを頭からすっぽり被った。

「日向さんの匂いがする」

「ハハ」と彼が短く笑った。
それだけなのに……。

彼が好きだ。
どうしようもなく好きだ。

今日は俺が先に手を伸ばしてしまいそう。





(2019.6.1twitter投稿)






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78.『ん……』(名刺SSテキスト版)

啄むようなキスを繰り返す。
深くなる一歩手前であいつの胸を押した。

「この脚じゃな。これ以上は無理だ」
「わかってる」

そう言って、若島津は立ち上がりかけたけど、そこで俺が言っちまったから今のこの状況があるわけで……。

「早く治さねぇとな。おまえを抱くことも出来ない」

俺の言葉に振り返り、「キスしてもいいかな」と床に膝をついた。

「キスなら、」
「そうじゃなくて……」

ソファに立てかけていた松葉杖が床に転がる。
若島津が長い髪を耳にかけて、俺のジャージに手をかけた。

「腰、浮かせられる?」

ん、ん……と俺を出したり入れたり。
時々、髪を耳にかけ直し、ん……ん……と。





(2019.5.31twitter投稿)






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