声にならない声をあげ、彼がその時を迎える。
前髪が胸を擽る。
隠すように息を整える。
その後、必ず見せてくれるのだ。
照れたような笑顔を。
俺の好きな声と共に。
「水、飲むか?」
お題:漢字テーマ「絶頂」
(2019.6.9 twitter投稿)
[2回]
昨夜の残りの雨の匂いを嗅ぎながら、校舎裏でキスをした。
朝っぱらから何やってんだろ……。
そう思いながら、彼の唇を離せなかった。
ふいに入り込んだ足音に彼が動きを止めるまで。
「続きは後で」
彼が駆けて行く。
小さくなる背中に俺は言う。
「バカ。後っていつだよ」
昼休み、またここに来てみようか。
(2019.6.7 twitter投稿)リメイク
[2回]
「日向さん、今日は燃えるゴミの日~」
だるだるな声に起こされた。
「また俺かよ」
「俺だっけ~?」
ったく、しゃあねえなぁ。
ゴミ袋をズリズリ引きずって家中のゴミ集め。
キッチン、リビング、洗面所……。
で、ぐるりと一周して最後に寝室。
どんだけやったんだか……。
「サヨーナラ~」
「何が?」
「いや、別に……」
何にもしようとしないくせに文句だけはいっちょ前。
「プラゴミ混ぜないでよ~」
ったく。寝汚ねえヤツだな。
「おめえもゴミに出しちまうぞ」
「袋に入りませーん」
確かに入らん。
俺も入らんが。
でけえヤツだよなぁ。
でけえけど、俺の腕にすっぽり収まるんだよな。
(2019.6.5 twitter投稿)リメイク
[3回]
あいつの手首から肘の裏に向かうライン、三分の二あたり。
薄っすらついたキスマーク。
捲った長袖のシャツ、
一応隠れてはいるが、机に肘をつくとチラッと顔を出すくらいの位置にそれはある。
誰にも見せたくないが、誰かに言いたくなる。
ぜってぇ言わねぇけどな。
―――見ろよ。あれ、俺がつけたんだぜ。
(2019.6.4twitter投稿)リメイク
[2回]
彼がテラスで缶ビールを片手に満月を見上げていた。
横顔がぞっとするほど綺麗だった。
それと、ほんの少し寂しそうだった。
「あんた、狼みたい」
「なんだよ?それ」
「なんで虎なの?」
「知るかよ。いつの間にかそうなってたんだよ」
「寂しそう。絶滅したニホンオオカミの最後の一匹って感じ」
「お前なぁ、それじゃ可哀相すぎるだろう。俺にだって仲間はいるんだぜ」
「だよね」
言いながら、彼は俺の肩を抱いた。
「ずっと見てるね、月」
「ウサギが見えるかなぁと思ってさ」
「餅搗きしてた?」
「いや。俺を誘ってた。『狼さん、私を食べていいですよ』って」
「そんなわけないじゃん。食べられるのは嫌だろ?」
きらり、と青白い月を映した瞳が光る。
「やっぱり狼みたい」
「お前は言ってくれないのか?」
「何を?」
「『俺を食べてもいいですよ』って」
「どうしようかな。狼に食べられるのは嫌だけど……」
……また、キラリ。
「じゃあ、変身しないうちに部屋に入ろうぜ」
(2019.6.2twitter投稿)リメイク
[2回]
ステアリングを握る手だとか、サイドミラーに視線を泳がせた時の耳から顎にかけてのラインとか、
緩みそうになる口元を水の入ったボトルで隠しながら見ていた。
不意に目が合うと口角が上がる。
直ぐにそれを隠すように前を向く。
信号が赤になり、緩く握ったステアリングの上、親指でリズムと取りながら「結構混んでるな」と彼が言った。
「運転、代わろうか?」
少し笑いを含んだ声で「いや」と短く返し、
「帰り、代わってもらう。寝てていいぞ」
リアシートに置かれたシャツに腕を伸ばし、「使えよ」と俺に寄越す。
「じゃあ、お言葉に甘えて」
澄ました口調で言って、彼のシャツを頭からすっぽり被った。
「日向さんの匂いがする」
「ハハ」と彼が短く笑った。
それだけなのに……。
彼が好きだ。
どうしようもなく好きだ。
今日は俺が先に手を伸ばしてしまいそう。
(2019.6.1twitter投稿)
[2回]
啄むようなキスを繰り返す。
深くなる一歩手前であいつの胸を押した。
「この脚じゃな。これ以上は無理だ」
「わかってる」
そう言って、若島津は立ち上がりかけたけど、そこで俺が言っちまったから今のこの状況があるわけで……。
「早く治さねぇとな。おまえを抱くことも出来ない」
俺の言葉に振り返り、「キスしてもいいかな」と床に膝をついた。
「キスなら、」
「そうじゃなくて……」
ソファに立てかけていた松葉杖が床に転がる。
若島津が長い髪を耳にかけて、俺のジャージに手をかけた。
「腰、浮かせられる?」
ん、ん……と俺を出したり入れたり。
時々、髪を耳にかけ直し、ん……ん……と。
(2019.5.31twitter投稿)
[1回]
隣のクラスの女子に告られた。
面倒くさくなるのが嫌で言葉を選んだ。
「部活で忙しい。余裕がない。気持ちは嬉しいけど、ごめんな」……こんな感じ。
たまたま若島津に見られて、あいつは何も訊かなかったし、俺も何も言わなかったけれど、
飯を食って、風呂を済ませ、時間割を見ながら鞄に教科書を突っ込んでいたら、いきなり何の前触れもなくあいつが言った。
「キスして」
「キスって……。おまえ、ふざけてんのか?」
笑い飛ばそうと思ったのに、
言わずに終わらせるつもりだったのに、
先にあいつが笑ったりするから、
扉の向こうから聞こえてきた話し声が不意に途切れたりするものだから……。
限界、だと思った。
「その手の冗談は嫌いだ」
顎を持ち上げると、あいつから笑いが消えた。
「日向さん、俺、ね」
俺の名を呼ぶ唇は震えていた―――。
(2019.5.31twitter投稿)
『I love you』を小次健風に訳すと「今すぐキスして」になりました。
#Iloveyouを訳してみた https://shindanmaker.com/730931
[1回]
例えば、普通に女と付き合っていたならば……。
まあ、そのコにもよるだろうけど、誘うのは俺、だよな。
慣れというのは恐ろしい。
誘われてばかりなせいか、誘い方がわからない。
ああ、どーしよう。
ムラムラなんだけど。
その気になってくれないかなぁ。
チラッと横目で見てみたけれど、 プレミアの試合にかじりついてる目は真剣そのもので、同業者でありながらプレミアよりセックスな今の自分が恥ずかしいやら情けないやら……。
「若島津、今の見たか?」
……え?
「み、見たよ」
「すげえなぁ。やっぱうめえわ」
やっぱり全然その気はないみたい。
おとなしく試合が終わるのを待つ、か。
んー、終わってもその気にならなかったら?
仕方がない。その時はその時だ。
今日はそういう日だったということで。
「あー、面白かった。録画しといてくれて助かったわ」
「俺も見たかったから」
「さ、飯にするか」
彼はすっと立ち上がった。
「ちょっと早くない?」
「腹が減ったんだよ。さっさと食って風呂入ってセックスしようぜ」
……え? え?
「す、するの?」
「するに決まってんだろ。お前にその気がなくてもする。つーか、俺がその気にさせる」
誘い方を忘れてしまうわけだ。
「今日はその気になんの早えなぁ」
「その気になんかなってな……ッーーーーー!」
(2019.5.30twitter投稿)リメイク
[1回]
名刺SSテキスト版は75までUPしています。現在75/338 いつ終わるんでしょう(泣)
twitterにまめ置いてあります。まめを書く暇があるなら宿題を、という感じですが、なかなか……。
エ口本を見ているところを母ちゃんにみつかりそうになり、慌ててベッドに隠す男子のように、PCを閉じる今日この頃。あまり調子の良いマシンじゃないだけにいつ壊れるか心配です。
☆拍手ありがとうございました。
↓ メッセージのお返事です。
[3回]