「日向さん、もしも俺が……」
「またかよ。お前ってホント、もしもの国の人だよな。」
「そんな事ないって。もしも俺が……」
「待った。先に死んだらとかそういうのはナシな。おっかねーから。」
「大丈夫」
「ならいいぜぞ」
「もしも俺が」
「あ。女だったらってのもナシ。お前はでけー男だから。」
「違うって。もしも俺が……」
「ストップ! 別れるって言ったら?つぅのもナシ。絶対別れないから」
「絶対そんな事は言わないよ。だから、さ」
「なんだよ」
「もしも俺が……」
「なんだよ、マジこえーじゃんか」
「だからさ、もしも俺がもっとしたいって言ったら……」
「バカ! 早く言えよ」
「だって、日向さんが……」
「あー! 面倒くせえ! もしもの国から移住して来いよ。バカたれ!」
(2019.5.17twitter投稿)リメイク
[3回]
「なぁ」と言うだけでいいんだ。
「うん」と言って、ベッドに滑り込んでくるから―――。
「どんな風にしたいんだ?」
あいつは「フフ」と笑って、長い腕を巻き付けてきた。
(2019.5.15twitter投稿)
[1回]
同じSSを何度も弄りまわす人ですみません。
pixivに「兄と兄」あります。
ピックアップする作品は「これが先!」と思っている方もいらっしゃるとは思うのですが、長いお話はコピペするにもそれなりに時間がかかりますし、サイトにあるので、まぁ追々と、と思っています。
地味に名刺SSテキスト版を作成しておりますので、たまに覗いて頂けると嬉しいです。
☆拍手ありがとうございました。
↓ メッセージのお返事です。
[2回]
「あんた、なんかムカつくんだけど」
「おまえもすっげームカつくんだけど」
「なんで?」
「なんでだよ?」
「だって、ほら、みんな見てる」
「おまえを見てるんだろ?」
「あんたを見てるんだってば」
「おまえだって言ってるだろ!」
「あの、」
「んだよ」
「俺だけ見て」
クーーーーッ!
おまえはなんて可愛い奴なんだっ!
俺の目にはおまえしか写らねえ。
俺の耳にはおまえの声しか聞こえねえ。
俺の鼻はおまえの香りを嗅ぎ集め、俺の口はお前にだけ言うんだぜ。
「若島津、やろうぜ……ぐああっ!!」
俺を殴れるのはおまえだけだっ!
(2019.5.14twitter投稿)リメイク
[2回]
想いを言葉に変えて彼の唇に触れられたなら……。
夢は夢のままで終わらせないと。
疑いのないその寝顔に汚れた涙が落ちる前に。
「日向さん、ごめんね。こんな俺は見せられない」
吐き出した息をかき消すように風が窓を叩いた。
その音に彼の瞳が開いた。
「俺、寝言とか言ってたか?」
「言ってないよ」
「そっか……」
「おやすみ」と背を向けた俺に彼が言った。
「いくら夢の中で言っても変わらねぇよなぁ」
ただ、見つめ合ってキスをした。
確かめるように何度も見つめ合い唇を重ねた。
(2019.5.13twitter投稿)
あなたは小次健で、【夢にまで見た】をお題に140字SSを書いてください。小説等でもどうぞ。
https://shindanmaker.com/674263
[0回]
人の恋路に口を挟む趣味はないけれど……。
望めば手に入るのに、二人してしないから。
馬鹿みたいに一途で、痛いほど真剣で、
だから、
好きにならずにはいられない。
柄にもなく、守ってやりたい、と思ってしまう。
「日向はさ、好きな女とかいないのか?」
「え? 俺っすか?」
「先輩ぃ。日向さんのことより俺の話を聞いて下さいよ。……この前に。……あ、日向さん、部屋の網戸開けっ放し。虫が入るから先に部屋に行って閉めといてくんない?」
(2019.5.12 twitter投稿)
貴方は小次健で『好きにならないはずがない』をお題にして(140文字)SSを書いてください。
https://shindanmaker.com/375517
[0回]
「快晴だったのか……」
彼がカーテンを開けた。
陽は西に傾きかけていた。
「何を考えているか当ててみようか?」
「別に何も考えてねえよ」
「勿体無い事した、とか思ってる? それとも、もっと優しく抱けばよかった、とか?」
手足を動かせなくなるまで彼を求めて求められ、部屋に籠もる匂いと空の青さのバランスの悪さに安心している、だなんて、俺は可笑しいだろうか。
「日向さん、カーテン閉めたら?」
彼はクククと笑って、青い空を隠した。
「すっげえ雨。どこにも出かけらんねえな」
(2019.5.11 twitter投稿)リメイク
[0回]
体を繋げるということを、そこにある悦びを彼から教わった。
キスも彼から教わった。
『欲しいものは欲しいと言った方がいい』そう言ったのも彼だった。
サッカーの楽しさを教えてくれたのも彼で……。
「俺はあんたに何かを教えた事がある?」
胸の鼓動を聞きながら尋ねた俺に、彼は「はあ?」ととぼけた声を出し、それからクククと声を殺して笑った。
「なんか、変な事を言ったかな?」
「キスもセックスもみんなお前が教えたんだろ?」
「…俺、が?」
「堪えるのが大変なんだ」
「何を?」
俺の体はぐるりと回転し、するすると背骨の上を指先が降りて行った。
彼を受け入れる場所に届くと同時に背中でくぐもった声がした。
「いちいち感動するなんて格好悪いだろ?」
彼より先に言って、彼に言われる前に腰を上げた。
「早く挿れてよ。あんたが入ってくる瞬間がたまんないの」
セックスって……泣けるよな。
(2019.5.10 twitter投稿)リメイク
[0回]
泣ける映画を観た。
一人だったのに泣かなかった。
喉に詰まった氷のカケラは、溶ける事なくずっとそこにいた。
泣いちまったら笑えるだろうか。
声をあげて泣いたら口を開けて笑えるのか。
会いてえなぁ。
もう半年会ってない。
半年あいつに触れてない。
やっぱしんどいわ。
欲張りだから、声だけなんて無理。
半年で自分が変わった様に、あいつもちびっとウェイトが増えたとか、今だに背が伸びてるだとか、この目で確かめて、この腕に抱いて感じたい。
行っちまうか?
二日しかねえけど。
思っていたら電話が鳴った。
「日向さん、今から行く」
バタバタ部屋中掃除して、念入りに髭を剃って、酒と食い物を調達して、汗をかいたから風呂に入った。
半年ぶりに抱いたあいつは、恥ずかしそうに「久しぶりだから少し痛い」と言った。
だから、俺も「久しぶりだから早えし」と言った。
「久しぶりのくせにキス上手くなってんじゃん」
「久しぶりだからサービスしてんだよ」
いつの間にか氷は溶けて、溶けた氷は涙になって、俺が笑うとあいつも笑った。
(2019.5.5 twitter投稿)リメイク
[3回]
席替えをした。
今まで斜め後ろから見ていた背中が見えなくなった。
ツンツンと突かれたり、ゴンと椅子を蹴飛ばされたり。
振り返ると低い位置に顔がある。
「シャーペンの芯、無くなった」
なんでそんな近くに顔があるんだよ。
偉そうに踏ん反り返ってればいいじゃないか。
手の上に顎を乗せて、見上げる瞳に胸が苦しくなる。
席替えしてくれないかなぁ。
見られるのもしんどいし、見ていなかったらそれもなんだか……。
「蹴るなよ」
「悪ぃ、悪ぃ。脚が長くてよ~」
ムカつく。馬鹿日向!
(2019.5.5 twitter投稿)リメイク
[3回]